前回は、七種の蓋置のうち『蟹・火舎・三つ葉・三つ人形』の扱い方についてご説明しましたので、今回は残りの3種『五徳・一閑人・栄螺(さざえ)』について見ていきましょう。
七種の蓋置「五徳」の扱い方
七種の蓋置「五徳(読み方:ごとく)」は炉用の五徳を小さくした形をしています。
五徳を使わない透木風炉や切掛風炉、釣釜や炉の透木釜の時期に使うことが多いです。
「五徳」の正面
爪を下にして2本が正面になります。
「五徳」建水への仕込み方
正面を柄の方に向け、2本の爪の間を柄杓が通るように仕込みます。
「五徳」点前座での扱い方
「五徳」の蓋置は爪を下(輪を上)にしたまま、風炉・炉ともに、柄杓を引く方に正面を向け、柄杓を引き置きます。
「五徳」荘り残す場合
薄茶点前で棚に荘り残すときは、蓋置を左に打ち返し、爪を上(輪を下)にして正面と向き合うように置きます。
七種の蓋置「一閑人」の扱い方
七種の蓋置「一閑人(読み方:いっかんじん)」は井看人、一看人とも書き、また、井戸の枠の人形が中をのぞくような姿をしていることから、「井戸覗き」とも言われます。
「一閑人」の正面
人形が向いている方が正面となります。
「一閑人」建水への仕込み方
正面を柄の方に向け、頭の上をまっすぐ柄杓の柄が通るように仕込みます。
「一閑人」点前座での扱い方
一閑人は柄杓をひくときに、横に倒す必要があります。
そのため、まず左手で柄杓の柄を少しだけ持ち上げて、右手で蓋置を取り出します。
一閑人を取り出したら、柄杓を元に戻し、左手に一閑人を乗せます、
一閑人の頭が釜の方に向くように、倒します。
横にあるくぼみに沿って柄杓を引きます。
風炉は右に倒れていますね。
炉は左に倒して置きます。
「一閑人」荘り残す場合
棚に荘るときは、一閑人を起こし、顔を正面に向けて荘ります。
七種の蓋置「栄螺」の扱い方
七種の蓋置「栄螺(読み方:さざえ)」は、本物の貝を蓋置として用いていたものに似せて作られるようになった蓋置です。
栄螺は風炉と炉で正面が異なるのが特徴です。
「栄螺」の正面
栄螺の貝尻(尖った方)を釜に向けた状態が正面となります。
「栄螺」建水への仕込み方
風炉の場合は貝尻(尖った方)を右側にして仕込みます。
炉の場合は逆に、貝尻(尖った方)を左側にして仕込みます。
「栄螺」点前座での扱い方
「栄螺」の蓋置は風炉・炉ともに尖った貝尻が釜の方に向くように置きます。
風炉は右に貝尻(尖った方)が向きます。
対して、炉では貝尻(尖った方)が左に向くようになります。
「栄螺」荘り残す場合
棚に荘り残すときは、あつかってひっくり返し、風炉・炉ともに貝尻(尖った方)を釜の方へ向けて荘ります。
七種の蓋置のまとめ
七種の蓋置のうち、五徳・一閑人・栄螺の扱い方でした。
五徳は荘るときにひっくり返す必要がありますし、一閑人と栄螺は風炉と炉で扱い方が違ってきます。
お点前ができるようになってきたら、変わった蓋置にもチャレンジ!
1つずつ覚えていきましょうね。
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