お茶会やお稽古では、濃茶も薄茶もまずお菓子が出て(食べて)から、次にお茶を頂きます。
その理由はなぜか?
3つほどありますので、ご説明していきますね。
お菓子を先に食べる3つの理由
濃茶点前では主菓子、薄茶点前では干菓子をいただきますが、どちらもお茶を飲む前に食べきるのが約束です。
理由は3つ。
お茶を引き立たせるため
茶道では「いかにお茶をおいしく飲んでいただくか」に重きをおいています。
そのため、お茶の苦みを楽しめるよう、まず甘いお菓子を食べます。
口の中に甘さが残った状態で、お抹茶を飲むと、甘味と苦味が合わさってとてもおいしくいただけますよね。
刺激を和らげるため
お抹茶にはカフェインが含まれています。
薄茶は2g、濃茶になると4gの抹茶を使用しますので、空腹時にそれだけの量が胃に入ると、刺激を感じる場合もあります。
そのため、予めお菓子を食べ、胃の負担を和らげるというわけなんですね。
今ここ!に集中するため
1番大切な理由は「1つのことに集中するため」です。
お菓子に全神経を注いでいただく。
お茶に全神経を注いでいただく。
それが大切。
あれこれしながらだと、目の前のことと向き合えませんよね。
お菓子をちょっと食べて、お抹茶をごくり。
お菓子を食べながら、またお抹茶飲もうかな、と考えて。。。
では、お菓子ともお茶とも向き合えません。
もちろん、お点前との兼ね合いもあって、お菓子を食べるほかは何も考えなくてもいいというわけではありませんが、きちんと向き合う姿勢が大切。
そのためにも「お菓子はお菓子」「お茶はお茶」でいただきましょう。
お菓子を先に食べる理由のまとめ
「お茶をおいしくいただく」や「胃の刺激を和らげる」という意味もありますが、やはり1番大切なのは、今ここ!に集中すること。
お菓子をいただくときはお菓子に全集中!
お茶会であれば、なぜこのお菓子を選んでくれたのか?
姿や銘を楽しみつつ、しっかり味わう。
そして、お茶を飲むときはお茶に全集中!
お茶の味わいはもちろん、お茶の立ち具合や香り、温度もしっかり味わう。
お茶とお菓子を交互に食べたり飲んだりしていては、あちこち気も散ってしまいますよね。
1つのこと、目の前のことに集中する。
お菓子やお茶をいただくときだけではなく、お道具拝見も同じです。
また、お点前をするときも、「帛紗をさばく」「棗を清める」といったように、1つ1つの動作に集中する。
そうすることで雑念もなくなり、お点前やお稽古、お茶を頂くことを通じて、気持ちもスッと軽やかになってくるはず。
マインドフルネスとは、過去や未来ではなく、今・ここで起こっているものごとを体験し、ただ目の前のことに集中する状態のこと。
「目の前のことに集中」は茶道だけではなく、一般の生活においても役立ちますので、ぜひやってみてくださいね。
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