薄茶点前において、お客にすすめられた場合、亭主も自分で点てたお茶を一緒に飲むことがあり、それを「自服（じふく）」と言います。
この記事では、自服のすすめ方や飲み方、お菓子はどうするのかなど、風炉点前（棚なし）で詳しく見ていきますね。
自服とは？
自服（読み方：じふく）とは、親しい方数名を招いてのお茶席などで、亭主が自分で点てたお茶（薄茶）を飲むことです。
自服のやり方（風炉）
今回は風炉の棚なしのお点前ですが、棚ありでも同じです。また、炉の場合でも点前座と客付きの場所が変わるだけで、基本は同じです。
では、やってみましょう。
1．お客のお茶を点て終わった後、「おしまいいください」の挨拶がなければ、再びお茶を点て、定座に出します。
2．定座に出したタイミングで、正客から「どうぞご自服下さい」と勧められます。
3．水を1杓釜に入れます。
4．客付きに回り、菓子器の両横を取って押しいただき、右上角→左下角の順で持ち、
5．くるりと90度回します。
6．再び、右上角→左下角の順で持ち、90度回します。
7．右横→左横の順で持ち、少し向こう（客側）に送ります。
8．茶碗を右手で取って膝前に置き、真に手をついて、「お相伴させていただきます」の挨拶をします。
9．茶碗を右手で取って左手に乗せ、感謝してから、少しだけ手前側に回して、お茶を飲みます。
10．お茶を飲み終えると、茶碗を大きく反時計回りに2回回して、正面を自分に向けます。
11．点前座に戻り、茶碗を膝前に置きます。
12．茶碗にお湯を入れ、建水に捨てます。正客から「おしまいください」の挨拶があれば、いったんこれを受け、右手で茶碗を正面に置いてから、「おしまいにいたします」と挨拶します。
13．右手で柄杓を上から取って、水を茶碗に入れ、釜に置き、おしまいの茶筅通しをします。
14．茶筅通しくらいのタイミングで正客はお菓子を取りに出て、上座（縁外）に置いておきます。
あとは、いつもの流れです。
自服のまとめ
- お菓子を出す位置に気を付ける
- 亭主はお菓子を食べない
- お茶碗の向きに気を付ける
流し点のお点前や少人数のお茶会で用いられる自服ですが、自分で点てたお茶の味を確かめるために、お稽古で行うのもおすすめです。
ぜひ普段のお稽古にも取り入れてみてくださいね。
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