裏千家茶道は許状というシステムがあり、許状を取らないと難しいお点前をすることはできません。
いったいどういうものなのか。
どうすれば取れるのか。
いつもらえるのか。
金額はいくらかかるのか。
詳しくご説明しますね。
許状(きょじょう)とは?
許状とは、そのお点前をしてもいいですよというお許しです。
一般的な免許のように、ある一定の訓練や試験をパスしたからもえらるというものではなく、お点前を見たりお稽古をしてもいいよというお免状。
裏千家茶道は小習い事から始まり、四ヶ伝、相伝と難しくなっていくのですが、それぞれ許状がないとお稽古することができません。
まず許状。
それからお稽古に入る。
ある程度したら、次のお点前の許状を取り、そしてお稽古する。
こういった流れになっています。
許状(きょじょう)の取り方
許状は誰でも取れます。
ですが、勝手に取ることはできません。
許状は家元からいただくのですが、申請するには資格が必要ですので、お教室の先生を通して申請するのが一般的です。
許状(きょじょう)はいつもらえるの?
許状は先生に申請していただきますので、先生の許状に対する考え方によって、取れる期間は変わってきます。
一般的には
入門から2~3年で次、
そして、また3年ほどして次、といった感じ。
茶名をいただけるまで、7~10年が目安です。
資格とは?
裏千家茶道の資格は、どこまで許状をいただいているか。どれだけお稽古が進んでいるか、を示すものです。
資格取得に必要な許状をすべて取り終えると、各資格を得ることができます。
許状を取り、お稽古を進めるにつれ、
初級→中級→上級→講師→専任講師→助教授
となっています。
許状(きょじょう)の種類
では、実際にある許状の種類について見ていきましょう。
初級
●入門(にゅうもん)
最も基本となるおじぎの仕方から始まり、割稽古と呼ばれる部分稽古の修得。
●小習い(こならい)
前八ヶ条と後八ヶ条の十六ヶ条の習い事であり、茶道の基本を養う上で最も必要な点前。
●茶箱点(ちゃばこだて)
茶箱(ちゃばこ)と呼ばれる箱を使って行う点前。
初級の許状申請料は1万円。
ここまで取得することで、初級の資格が得られます。
中級
●茶通箱(さつうばこ)
2種類の濃茶を同じ客に差し上げる場合の点前。
●唐物(からもの)
茶入が唐物(からもの:中国産)の場合の扱い方。
●台天目(だいてんもく)
天目茶碗を台にのせて扱う点前。
●盆点(ぼんだて)
唐物茶入が盆にのった場合の点前。
●和巾(わきん)
名物裂(めいぶつぎれ)、拝領裂等をもって作った古帛紗の上に、袋に入れた中次をのせて扱う点前。
中級の許状申請料は2万円ほど(←うろ覚え・・・汗)
ここまで取得することで、中級の資格が得られます
上級
●行之行台子(ぎょうのぎょうだいす)
別名「乱かざり」ともいわれ、行台子を使って行う点前。
●大円草(だいえんそう)
大円盆(だいえんぼん)をもって行う点前。
●引次(ひきつぎ)
引次を取得することで上級(助講師)の資格が得られます。
所定の手続きを経て、弟子の許状申請を行うことができます。
上級の許状申請料は3~4万円だったかな・・・(はっきりしたらまた訂正します!)
講師
●真之行台子(しんのぎょうだいす)
一名「奥儀」といわれるもので、行之行台子を充分に修得できた者に許される、真台子をもって行う点前。
●大円真(だいえんしん)
大円盆をもって真台子で行う点前。
●正引次(せいひきつぎ)
「引次」を取得してから1年以上経過している必要があります。
講師の許状申請料は8万円ほど。
取得することで講師の資格が得られます。
専任講師
●茶名(ちゃめい)・紋許(もんきょ)
茶名は利休居士以来の歴代家元の「宗」の一字をいただくもの。修道を通じて資質を備えられた方に授与されます。
「正引次」を取得してから1年以上経過している必要があります。
取得にかかった金額は許状申請料16万1000円+先生へのお礼
茶名取得にかかった金額について詳しくはこちらをご覧くださいね。
取得することで専任講師の資格が得られます。
助教授
●準教授(じゅんきょうじゅ)
取得することで助教授の資格が得られます
「茶名」を取得してから2年以上経過していて、25歳以上である必要があります。
取得することで助教授の資格が得られます。
許状・資格についてのまとめ
裏千家茶道の許状システムについては、ご理解いただけましたでしょうか?
許状は1つ飛ばしていきなり上を取ることはできません。
そのお点前が上のお点前につながっていくものですので、1つ1つ確実にステップアップしていきましょうね。
\着物でお稽古/
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