薄茶を入れる茶器を「薄茶器(薄器)」といい、一般的に知られている棗だけではなく、さまざまな形をしたものがあります。
それぞれの薄茶器(薄器)について、お茶のはき方や清め方、蓋の取り方(置き方)を一覧にしましたので、ご覧くださいね。
- 薄茶器「棗(なつめ)」
- 薄茶器「平棗(ひらなつめ)」
- 薄茶器「中次(なかつぎ)」
- 薄茶器「丸棗(まるなつめ)」
- 薄茶器「茶合棗(ちゃごうなつめ)」
- 薄茶器「尻張棗(しりはりなつめ)」
- 薄茶器「雪吹(ふぶき)」
- 薄茶器「河太郎棗(かわたろうなつめ)」
- 薄茶器「薬器(やっき)」
- 薄茶器「茶桶(ちゃおけ・さつう)」
- 薄茶器「甲赤茶器(こうあかちゃき)」
- 薄茶器「金輪寺(きんりんじ)」
- 薄茶器「老松茶器(おいまつちゃき)」
- 薄茶器「帽子棗(ぼうしなつめ)」
- 薄茶器のまとめ
薄茶器「棗(なつめ)」
一般的によく知られている薄茶器。
大きさにより「大棗」「中棗」「小棗」がありますが、扱いはどれも同じです。
- お茶は山なりに盛る
- 甲拭きに清める
- 蓋は右膝前に置く
蓋は右膝頭(茶碗に対して斜め)に置きます。
薄茶器「平棗(ひらなつめ)」
高さが低く、平坦な形をした棗。
- お茶はなだらかに盛る
- 帛紗を握りこんで持ち替え、甲拭きに清める
- 蓋は右膝前に置く
左手で上から取り、帛紗を握りこんで持ち替えます。
薄茶器「中次(なかつぎ)」
蓋と身の合口が胴の中央にあるものを「真中次」、真中次の肩を面取りしたものを「面中次」といいます。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「丸棗(まるなつめ)」
その名の通り、丸い形をした棗。
- お茶は山なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「茶合棗(ちゃごうなつめ)」
4代仙叟が好んだ薄茶器。胴に太い紐がまわしてあるような形をした小型の茶器。
- お茶は山なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「尻張棗(しりはりなつめ)」
中棗くらいの大きさで蓋が浅く、下に向かって少し広がった棗。
- お茶は山なりに盛る
- 甲拭きに清める
- 蓋は右膝前に置く
薄茶器「雪吹(ふぶき)」
中次に似ていますが、合口が真ん中より上にあり、蓋が中次より浅くなった薄茶器。
上下が大きく面取りしてあるのが特徴です。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「河太郎棗(かわたろうなつめ)」
蓋の甲がくぼんだ形をした棗。
- お茶は山なりに盛る
- 甲拭きに清める
- 蓋は右膝前に置く
薄茶器「薬器(やっき)」
張り出した肩から、下に向かってすぼまった形をした薄茶器。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「茶桶(ちゃおけ・さつう)」
面中次に似ていますが、合口が真ん中より上にあります。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「甲赤茶器(こうあかちゃき)」
5代不休斎お好みの薄茶器で甲赤棗とも言われます。
平棗のように平坦で薄く、甲は平らになっています。
- お茶はなだらかに盛る
- 持ち替えて二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「金輪寺(きんりんじ)」
木地で円筒形をした胴に、少し盛り上がった蓋の薄茶器。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器「老松茶器(おいまつちゃき)」
蓋に2つの蝶番がついた、少し大きな割蓋が、碁笥形をした身にのっている薄茶器。
- お茶はなだらかに盛る
- 持ち替えて「リ」の形に清める
- 蓋は左側を抑えて右側を開ける
薄茶器「帽子棗(ぼうしなつめ)」
なで肩で少し下の方が張った釣鐘形の身に、帽子のようなかぶせ蓋が付いた薄茶器。
- お茶は杉なりに盛る
- 二引きに清める
- 蓋は膝正面(茶碗と膝の間)に置く
薄茶器のまとめ
薄茶を入れる茶器「薄茶器」にはさまざまな種類があり、扱い方がそれぞれ違っています。
・お茶のはき方(なだらかor山or杉)
・清め方(甲拭きor二引きorリ)
・蓋の取り方(右膝頭or膝正面)
1つずつ確認してお点前をしていきましょうね。
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