

和敬点前は大小2椀の茶碗で点て、基本的に拝見はしないお点前です。
和敬点前とは
『和敬点前(読み方:わけい)』は14代淡々斎が考案されたお点前で、卯の花点前と雪点前を合わせて簡略にしたもの。
以前は『陣中点前』と言われていたこともあり、茶箱点前の中でも取り組みやすいお点前になっています。
和敬点前に必要なお道具
・瓶掛
・鉄瓶
・茶箱
・薄板(和敬板)
・建水
和敬点前には茶箱の蓋と同じ大きさの薄板(和敬板)が必要になります。

和敬点前の水屋仕事
1.振出しに金平糖や豆類などを入れる
2.茶碗を重ね、古帛紗を二つ折りにして入れ、その上に棗を入れ、箱の手前に寄せて入れる
3.茶碗の向こう側に、茶筅筒、茶巾筒、振出しを入れる

4.茶杓を茶碗の上に斜めにふせ、その上に草にさばいた帛紗を置く
5.箱を閉め、薄板(和敬板)を乗せる
6.瓶掛に湯を入れた鉄瓶をかけ、蓋を向こう側に切っておく
和敬点前の手順
1.茶道口建付けに茶箱を置いて、主客総礼をします。
2.茶箱を瓶掛正面に置きます。
3.いったん下がって、建水を持ち入ります。
4.両手で茶箱を勝手付に置き、薄板(和敬板)を膝前に置きます。
5.茶箱の蓋を両手で取り、右向こう→左手前と回し、
横にして瓶掛の右に置きます。
6.右手で帛紗を取り、草にさばき直して、蓋を「三」の字に清め、薄板の右上に仮置きします。

7.右手で茶杓を出し、扱ってから蓋の上の左寄りに置きます。
8.右手で振出しを取り、左手で扱ってから定座に出します。
9.主客総礼(亭主は草、お客は真)
*総礼後、正客は振出しを取りに出ます。
10.茶碗を重ねたまま薄板の上に出し、棗を扱ってから、蓋の上(茶杓の右)に置きます。
11.右手で茶碗の中の古帛紗を取り出して、二つ折りのまま茶箱と薄板の間に置きます。
12.茶碗を重ねたまま、両手で古帛紗の上に置きます。
13.上の茶碗(主茶碗)を両手で取り、右手で薄板の上に置きます。
14.茶箱を両手で進め、建水を進めます。
15.居住まいを正します。
16.帛紗を右手で取り、草にさばいて棗を清め、再び草にさばき直して茶杓を清めます。
17.帛紗で鉄瓶の蓋を閉め、元の位置に置きます。

18.左手で茶筅筒を取り、茶筅を出して茶碗の右横に預け、左手で茶筅筒を茶箱に戻します。
19.左手で茶巾筒を取り、右手で茶巾を出してそのまま蓋の上(棗の右前寄り)に置き、茶巾筒を茶箱に戻します。

20.右手で帛紗を取り、左手で鉄瓶を持って蓋を抑え、茶碗に湯を入れます。
21.鉄瓶、帛紗を元の位置に戻します。
22.右手で茶巾を取り、たたみ直して元の位置に置きます。
23.茶筅通しをします。
24.茶筅は蓋の上(棗の右横、茶巾の上)に置き、湯を捨てて、茶巾で茶碗を清めます。

25.右手で茶杓を取って、お菓子をすすめ、茶を入れます。

26.右手で帛紗、左手で鉄瓶を持って、湯を入れ、茶を点て、定座に出します。

27.正客の1口で古帛紗の上の茶碗を左手→右手の二手で取り、薄板の上に置きます、
28.同様に湯を入れて、捨てて拭き、茶を入れて点て、定座に出します。
29.茶碗が戻ると、右手で取り、扱って薄板の上に置き、湯を入れて捨てます。
30.お仕舞いの挨拶があればこれを受け、茶碗を薄板の上に戻して、「おしまいにいたします」
*正客は振出しを定座に戻します。
31.右手で振出しを取り、右膝横に仮置きします。
32.茶碗に湯を入れて茶筅通しをし、右手に茶筅を持ったまま、左手で茶筅筒を取ります。
34.湯を捨てて、茶巾で茶碗を拭き、茶巾を入れたまま茶碗を置きます。
35.右手で茶巾を取り、左手で茶巾筒を取って茶巾を入れ、左手で茶箱に戻します。
36.茶碗を右手→左手で古帛紗の上置きます。
37.替茶碗が戻ると、薄板の上に取り込みます。
38.湯を入れて、建水に捨て、拭かずに薄板の上に置きます。
39.帛紗を草にさばき直して茶杓を清め、元の位置に置きます。
40.帛紗を建水の上で払って、元の位置に置きます。
41.左手で建水を引き、両手で茶箱を引きます。
42.古帛紗の上の茶碗を左手で取り、替茶碗の上に重ねて置きます。
43.古帛紗を折ったまま茶碗に入れます。
44.右手で棗を取り、茶碗の中(古帛紗の上)に入れます。

45.茶碗を両手で取り、茶箱に入れます。(左手は箱に添える)
46.振出しを取り、扱って、右手で茶箱に入れます。

47.茶杓を取り、扱ってから、伏せて茶碗の上に斜めに乗せます。
48.帛紗で鉄瓶の蓋を切り、草にさばき直して茶杓の上に乗せます。
49.両手で茶箱の蓋を取り、左向こう→右手前で回して、蓋をします。
50.薄板を両手で取り、茶箱に乗せます。
51.茶箱を両手で持ち、瓶掛正面に置きます。
52.ひと膝勝手付に向き、建水を持って下がります。
53.再び入って瓶掛正面に座り、茶箱を持って下がり、茶道口に座って建付けに置き、主客総礼して襖を閉めます。
和敬点前のまとめ
盆略点前と同様に、茶箱点前は瓶掛を使ったお点前。
柄杓の扱いがないので、一般的なお点前よりもやりやすいかなと思います。
茶箱にすべて仕組み、そして最後はまたすべて入れて持ち帰るのが、本当に楽しいお点前です。
ぜひやってみてくださいね。


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