裏千家茶道で使う柄杓には、炉用と風炉用、さらに差し通しの3種類があります。
「どっちを使うか覚えられない・・・」
最初はそう思うかもしれませんが、この記事を読めば大丈夫!
柄杓の違い・見分け方・覚え方を見ていきましょう。
柄杓の各部分の名称
合(ごう):先端の水や湯を汲む部分
柄(え):細長く伸びた部分
節(ふし):柄の中間部分
切り止め(きりどめ):柄の合と反対の端の部分
炉用と風炉用の柄杓はここが違う
上の写真で見ると、上側が風炉用、下側が炉用の柄杓です。
何が違うかというと、合の大きさと切り止めの切り方。
ご覧になるとわかると思いますが、炉用の柄杓のほうが合は大きめです。
炉用と風炉用の柄杓の大きな違いは、切り止めの切り方です。
炉用:皮を切って(削いで)ある
風炉用:身を切って(削いで)ある
皮とは竹の皮、表側のことです。
炉用の柄杓は皮のほうに削いである。つまり表から見ると削いである部分が見えますね。
それに対して、風炉用の柄杓は身のほうを削いであり、表からは切ってある部分が見えません。
逆に裏から見ると、炉用は削いである部分が見えず、風炉は削いである部分がはっきり見えますね。
正反対に削ぎ落されていますので、見間違えることはないと思います。
炉用と風炉用の柄杓の覚え方
皮削ぎ、身削ぎは見てわかる。
でも、炉用はどっちだったか?が分からなくなっちゃう。。。
そんな茶道初心者さんのための、柄杓の覚え方がこちら。
「風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける」
これは、百人一首の98番従二位家隆(ふじわらのいえたか)の和歌。
現代語訳
「風がそよそよと吹いて楢(ナラ)の木の葉を揺らしている。 この、ならの小川の夕暮れは、すっかり秋の気配となっているが六月祓(みなづきばらえ)のみそぎの行事だけが、夏であることの証なのだった」
注目したいのは「みそぎ」です。
この歌では「禊(みそぎ):川の水などで身を清め、穢れを払い落とすこと」の意味で使われているのですが、音だけ取り出してみると、
みそぎぞなつのしるしなりける
みそぎぞなつのしるしなりける
身削ぎぞ夏のしるしなりける
身削ぎ:夏(風炉用)
皮削ぎ:冬(炉用)
柄杓は3種類あります
炉用、風炉用のほかに、差し通しという柄杓もあります。
「差し通し」は長板のお点前で使う柄杓で、合に柄が差し通されているのが特徴です。
裏千家茶道で使う柄杓の種類「炉用」と「風炉用」 の違いは分かりましたか?
間違って使ってしまわないように、ぱっと見て見分けられるよう、しっかり違いを覚えましょう。
>>> 【茶道具】炉用+風炉用柄杓セット
\保管もOK!/
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