流し点（読み方：ながしだて）は、少人数で気軽に行う薄茶のお点前です。
おしゃべりも楽しむので、お客の方を向いて行うのが特徴。
炉の流し点では完全にお客の方を向きますが、風炉の流し点は、炉の時のように斜めに向いて行います。
流し点（風炉）で必要なお道具
流し点（風炉）の水屋仕事
お点前に入る前の水屋仕事（下準備）です。
1．風炉を左の畳端から17～19目、手前から16目（24センチ）開けて置き、釜の蓋の向こう側を切っておく
4．お菓子を出す
5．戻ってふすまを閉める
流し点（風炉）のお点前手順
1．水指を右側に置いて茶道口に座り、ふすまを開けて、お辞儀（真）をします。
2．右→左→右と進み、左足を貴人畳の角を目がけて出し、右足を揃えて座り、水指を貴人畳の端に置きます。
3．水屋に下がって、茶碗と棗を持ち出し、風炉と炉端を結んだ線上に、棗と茶碗を同時に置きます。（置き合わせ）
4．建水を持ち出して、炉と同じ点前座に座り、建水を体から少し離して置きます。
5．座る位置や着物が乱れていたら直し、「1.2.3」と数えるようにして呼吸を整えます。
6．茶碗を左真横、右真横と二手で膝正面の少し奥に置きます。右手で棗を上から取り、膝と茶碗の間に置きます。
7．左手で腰の帛紗を取り、草にさばいて棗を清め、先ほど茶碗を置いた位置に置きます。
8．帛紗をさばきなおして、茶杓を清め、棗の上に開先を上にして置きます。
9．茶筅を棗の右横に出します。
10．右手で茶碗を少し前（点てやすい位置）に寄せます。
11．帛紗を右膝頭に仮置きします。
12．左手で柄杓を取り、持ち替えて構えます。（鏡柄杓）
13．蓋置を右手で出し、風炉正面に置きます。
14．帛紗で釜の蓋を開け、釜の蓋を蓋置の上に置き、帛紗を左膝と平行に置きます。
15．茶巾を釜の蓋に置きます。
亭主目線で見ると、こうなります。
16．右手に柄杓を持ち替え、湯を茶碗に入れ、釜にかけて置きます。（置き柄杓）
17．茶筅通し（2度上げ3度打ち）をし、茶筅をもとの位置に戻します。
18．湯を捨てて茶巾で、茶碗を清めます。茶巾は釜の蓋に戻します。
19．茶杓を取って、お客にお菓子をすすめ、茶を入れます。
20．右→左→右の三手で水指の蓋を取り、左に立てかけます。
21．湯を入れて茶を点て（切り柄杓）、正面を正して右膝の高さに出します。
22．正客が一口飲むと、帛紗を右手で取り、左手に打ち返して腰につけます。
23．茶碗が戻ると、右手で取り、左手で扱ってから膝前正面に置きます。
24．柄杓を取って、湯を茶碗に入れ（置き柄杓）、建水に湯を捨てて茶巾で茶碗を清めます。
25．再び茶を点て、先ほどと同じように出します。
26．亭主が茶を立てている頃合いで、正客は菓子器を持って出て、正面を正して茶碗が出される場所を開け、下座に置きます。
27．正客から「どうぞご自服を」と言われると、これを受け、水を1杓釜に差して（引き柄杓）、客付き（ひと膝右）に向きます。
28．菓子器をおしいただき、そのまま右回りで正面を相手に向けて、少し向こう側（お客側）に置きます。
29．茶碗を膝前に取り込み、「お相伴させていただきます」と挨拶をし、いただきます。
30．お茶を飲み終えると、正面を自分のほうに向け、点前座（ひと膝左）に戻って、茶碗を膝前に置きます。
31．茶碗にお湯を入れ（置き柄杓）、建水に捨てます。
32．正客から「おしまいください」の挨拶があれば、いったんこれを受け、右手で茶碗を正面に置いてから、「おしまいにいたします」と挨拶します。
33．正客は菓子器を下げに出て、自分の右上（縁外）置きます。
34．茶碗に水を入れて（引き柄杓）、お終いの茶筅通しをし、茶筅を元の位置に戻します。
35．茶碗の水を捨て、右手で茶巾を茶碗に入れて、正面に置きます。
36．茶筅を茶碗に入れ、右手で茶杓を取って、帛紗で清め、茶碗に開先を下にふせて置きます。
37．帛紗を建水の上で2度はたき、腰につけます。
38．棗を最初の位置に戻し、茶碗を左側に置き合わせます。
39．釜に水を1杓さし、柄杓を左手に持ち替えて、右手で釜の蓋を閉めます。
40．そのまま柄杓を建水の上にふせて置き、蓋置も柄の下に終い付けます。
41．水指の蓋を、右手→左手→右手の三手で閉め、拝見の所望があれば、これを受けます。
42．茶碗の右横を持って、風炉正面に置きます。
43．棗を左手に乗せて客付（ひと膝右）に向きます。
44．帛紗をさばいて棗を清め、右ひざの高さに出します。
45．ひと膝左（点前座）に向いて茶杓を取り、ひと膝右（客付き）に向き、出します。
46．ひと膝左（点前座）に向き、柄杓と蓋置を持ってから、さらにひと膝左（勝手付）に向いて、建水を持ち帰ります。
47．茶碗、水指も持ち帰ります。
48．茶道口に座り、客の拝見が終わり、道具が戻ったのを確認して入り、道具正面に座ります。
49．お道具問答後、棗と茶杓を持ち帰り、茶道口に座って主客総礼し、襖を閉めます。
拝見後のお道具は定座に返します。
お道具（棗・茶杓）の問答については、『棗・茶杓の拝見方法と問答』『茶杓の銘（月別一覧）』『お作の例（歴代家元の一覧）』を参考にしてくださいね。
流し点（風炉）のまとめ
- 風炉の位置に気を付ける
- 建水の上げ下げは無し
- 蓋置に柄杓はひかない（使い取り）
親しい友人を招いて、少人数で行う流し点（ながしだて）
風炉点前でも、顔が見えるよう斜めに向いて行うのが特徴です。
水指を客の近くに置くので、夏の暑い時期に涼しげな水指を用いて、涼を楽しむ。
また、風炉が少しお客の方へ近づくため、5月、10月など肌寒い時期に行うのもおすすめです。
お客の作法も一緒に覚えよう！
＼着物専用宅配クリーニング／
皆さまの応援が励みになっております。
お役に立ちましたら、ポチっと応援よろしくお願いいたします。
↓
