ミッチとしずばぁばのお茶談義

ミッチとしずばぁばのお茶談義

初心者向け茶道ブログ(裏千家茶道)です。

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【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
この間「貴人点」をしたけど、濃茶バージョンもあるんだよね?
 

 

もちろんありますよ(笑)では今回は『濃茶の貴人点(炉)』をお稽古していきましょう。
 
しずばぁば

 

貴人点(きにんだて)とは、位の高い方・身分の高い方(偉い人ではない)へお茶を差し上げるお点前です。

 

貴人台の扱いは以前ご説明しましたので、濃茶の平点前と違う点を詳しく見ていきますね。

 

 

>>>【風炉】貴人点の薄茶点前

>>>【炉】貴人点の薄茶点前

 

 

 

【炉】濃茶の貴人点で必要なお道具

 

 

 

今回は棚ありのお点前。

十一代玄々斎が好んだ「更好棚(こうこうだな)」を使っています。

 

Amazonにはこんな更好棚があります

 

楽天市場にはこんな更好棚があります

 

 

【炉】濃茶の貴人点の水屋仕事

 

まずはお点前に入る前の水屋仕事(下準備)です。

 

1.棚を畳中央(16目)に置き、下の板の上に水指に水を9分目ほど入れて置く

 

2.薄茶を入れた棗(薄器)を中段に荘り、1人分の濃茶を入れた茶入れを棚正面に荘る

 

3.茶碗に、たたんだ茶巾、茶筅茶杓を仕組み、貴人台に乗せる

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

4.建水に竹以外の蓋置と柄杓(炉用)を仕組む

 

5.お菓子を出す(下がってお辞儀)

 

ミッチ
貴人点では濃茶でもお辞儀をするよ!高坏でのお菓子の出し方はこちらを参考にしてね。
 

 

6.戻ってふすまを閉める

 

 

 

【炉】濃茶の貴人点の流れ

 

1.茶道口に座って貴人台を右に置き、貴人に向かってお辞儀をします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

濃茶点前では茶道口でのご挨拶はありませんが、貴人さんに対してはご挨拶をしましょう。
 
しずばぁば

 

2.左手で貴人台の真横、右手で茶碗とほおづきを持ち、右足で立って点前畳(棚正面)に進みます。

 

3.左手を手前に持ち直して勝手付に仮置きします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

4.茶入れを水指の右前に動かします。

 

5.貴人台の右横と左手前を持って、体の正面まで持ってきます。左手を進めて両横を持ち、今度は右を手前に持ち、茶入れの左横に置き合わせます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
貴人台の扱いに気を付けようね!
 

 

6.左膝から立って、右回りで水屋に下がります。

 

7.蓋置、柄杓を仕組んだ建水を左手で持って右足から入り、向きを変えて座ってふすまを閉めます。

 

8.左膝から立ち、畳の真ん中を歩いて、座る畳に入ったら、右→左→右→左(斜め)→右(揃える)で定座に外隅狙いで座り、左手をまっすぐおろして建水を置きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
コロナ禍ってこともあって開けてるけど、閉めてるつもりで(笑)
 

 

10.左手で柄杓の節の下を持ち、右手で切り止めに添えて持ち直し、構えます(鏡柄杓)

 

11.柄杓を構えたまま、右手で蓋置を取り、柄杓の内側を通って、いったん正面を確かめてから炉の右下に3目ずつ開けて置きます。

 

12.柄杓を右手で上から持ち直し、合を蓋置に静かに引き置き、柄を10センチくらいの高さからポトンと落とします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

13.左手で建水を風炉先に半がかりまで上げ、座る位置や着物が乱れていたら直し、「1.2.3…」と数えるようにして呼吸を整えます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

柄杓を引いたあたりで半東が入ります。
 
しずばぁば

 

半東は柄杓を引いたあたりで、茶道口からにじって入り、踏みかえ畳で控えます。

 

【炉】貴人点の薄茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
亭主の手・お客の手・控えの手』で確認してね!
 

 

14.貴人台の左横と右手前を持って体の正面まで持ち上げ、両横に持ち直してから、膝前少し奥に置きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

「ながら」はやめましょう。きちんと体の正面で持ち替えてくださいね。
 
しずばぁば

 

15.右手で茶入れを横から取り、膝と貴人台の間に置きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
外隅と膝の間に置こう!
 

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

16.仕覆の緒を解き、仕覆を開いて脱がせ、茶入を茶碗と膝の間に置きます。

 

17.仕覆を左手で打ち返し(釜の方へ)、左手で仕覆の底を持って棚上段に置きます。

 

18.四方捌きをし、茶入れを清めたら、水指と炉を結んだ線上、中央より左に置きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

茶入れの扱いについては『茶入れの清め方・仕覆の解き方』『四方捌きのやり方』をご覧くださいね。
 
しずばぁば

 

19.帛紗をさばきなおして、茶杓を清め、茶入れに開先を上にして置きます。(つまみより釜に近い方に乗せる)

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

20.右手で茶筅を取り、茶入れの右横に置きます。

 

21.茶巾を水指の上に置きます。(塗蓋の場合は、帛紗を折り返して二引き)

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

22.帛紗を左手の人差し指と中指で挟み、右手で柄杓を取って構え(鏡柄杓)、挟んだ帛紗を右手で取って、釜の蓋を開け、帛紗を右膝頭に仮置きします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

23.右手に柄杓を持ち替え、湯を茶碗に入れ、再び帛紗で釜の蓋をぴたっと閉め(中蓋)、右膝頭に仮置きします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

24.茶碗に湯を入れ、手を添えて茶筅を入れて打ち、両手で貴人台の両横を持って点てやすい位置に下げます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

25.茶筅通し(2度上げ3度打ち)をし、茶筅をもとの位置に戻します。

 

26.左手を添えて茶碗を取り、湯を捨てて茶巾で清め、左手を添えて茶碗を置き、茶巾は水指の上に戻します。

 

ミッチ
取り置き両手(左手を添える)だったね!
 

 

27.右手で茶杓を取り、左手で茶入れを左横から取って、茶杓を握りこんで茶入れの蓋を開け、茶碗の右横に置きます。

 

28.茶杓で茶を3杯くみ出し、茶杓を茶碗の右に預けます。

 

29.茶入れを手前に回して、お茶を全て出します。

 

30.右手の親指で茶入れの口の下側、人差し指で上側を清め、汚れた指を懐中している懐紙で拭き、右手で蓋をして左手で元の位置に戻します。

 

31.茶杓を右手で取り、左手で扱ってから茶を「三」とならし、茶碗の縁で軽く打って、茶入れの上に戻します。

 

32.右手で柄杓を取り、左手で節を持って構え(鏡柄杓)、右手で帛紗を取って釜のふたを取り、蓋置の上に置き、帛紗を自分の左斜め横(左膝と平行)に置きます。

 

33.柄杓を右手に持ち替えて、茶碗に湯を入れ、残った湯を釜にあけてそのまま釜に預けます。

 

34.茶をよく練り、茶筅を左横に預けて、再び湯を汲み、左手で茶筅を持ち上げて湯を入れ、柄杓を戻して、濃茶を練り上げます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

35.貴人台の両横を持って客付きに向き、持ち上げたまま時計回りに回し、左横と右斜め前を持って定座に出します。

 

36.左→右と下がり、控えます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

37.半東が取りにでて、貴人に出します。右向こう→左こちら側でくるりを2回繰り返し(下に置いて回す)、正面を正して出し、元の位置に戻って控えます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

38.貴人が茶を一口飲んだところで、草に手をつき、

 

亭主(草)「お服加減はいかがでございますか」

正客(右手のみ草)「結構でございます」

 

と、問答します。

 

39.柄杓をとってかまえ、手で釜のふたを閉め、柄杓を建水に合を落として手なり斜めに乗せ、蓋置を右手で取って、左手で建水の後ろに置き、客付に向いて控えて待ちます。(中じまい)

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

40.問答をします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

貴人点濃茶の飲み方についてはこちらを参考にしてくださいね。
 
しずばぁば

 

41.吸いきりで、点前座に戻り、蓋置を左手で取って、右手で元の位置に置き、柄杓を左手でとって構え、右手で帛紗を取って釜の蓋をあけ、蓋置の上に乗せます。(中じまいを解く)

 

42.帛紗を左横に戻し、柄杓を横にして湯を汲むように持ち直し、釜の口に預けます。

 

43.茶巾を取って、釜の蓋に置き、水指の蓋を右手→左手の二手で取り、左に立てかけます。

 

44.柄杓を取って、水を釜に1杓差し、柄杓を釜に預けて帛紗を腰につけます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

飲み終わったら、おさげいたしますの挨拶をして半東が取り次ぎ、元の位置に返します。

 

45.茶碗が返ったら客付きに回り、貴人台の左横と右手前を持って持ち上げ、両横に持ち直してから、点前座に向きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

46.主客総礼をします。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

47.湯を入れて、捨てます。

 

48.左手を添えて茶碗を貴人台に戻し、

 

亭主(草)「一応おしまいにいたします」

正客(真)「どうぞ」

 

と挨拶をします。

 

49.水を入れておしまいの茶筅通し(1度上げ2度打ち)をし、茶筅を元の位置に戻します。

 

50.水を捨てて茶巾を入れます。茶筅を入れ、茶杓を取って建水を下げ、清め、茶碗にふせて置きます。

 

51.茶入れを最初の位置(水指の右斜め前)に戻し、貴人台の両横を持って持ち上げ、体の正面で右斜め前を持って、茶入れの横に置き合わせます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

52.釜に水を差し、湯返しをします。

 

53.釜の蓋を閉めて蓋置に静かに引き置き、水指の蓋を左手→右手の二手で閉めます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

54.貴人から茶入れ・茶杓・仕覆の拝見所望があれば、これを受け、柄杓を合をふせて左手で建水に真っすぐかけます。

 

55.蓋置を右手で取り、左手に乗せて水指正面に向き、柄杓の真下に置きます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

56.貴人台の左横と右手前を持って体の正面まで持ち上げ、両横を持ってから左を手前に引き、勝手付に割り付けます。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

ミッチ
合の位置、茶筅と柄杓蓋置の位置などに気を付けよう!
 

 

57.右手で茶入れを横から取り、左手に乗せて客付に回り、清めて出します。

 

58.棚正面に戻って仕覆を左手に乗せその上に茶杓を乗せて客付きまで回って出します。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

茶杓の出し方がポイントですね。
 
しずばぁば

 

半東は道具を取り次ぎ、左→右と膝退してお辞儀をし、下がる亭主の邪魔にならないよう踏みかえ畳の横で控えます。

 

【炉】貴人点の薄茶点前(裏千家茶道)

 

59.棚正面(勝手付)に向き、右手で柄杓と蓋置を、左手で建水を持って左膝から立ち、建水回りで水屋に下がります。

 

60.再び入って棚正面に座り、右横と左手前で貴人台を持って、左横に持ち直してから右手をほおづきと茶碗に添えて、茶道口に下がります。

 

61.茶道口に座り、貴人台を右横に置いて、貴人に向かってお辞儀をします。

 

ミッチ
ここで一礼あるのも貴人点の特徴だね!
 

 

62.水次を持って入り、水指に水を足し、水屋に下がって襖を閉めます。

 

貴人は道具を拝見し、茶杓は仕覆から下ろして返します。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

半東はこれを取り次ぎ、茶杓は下ろしたままの状態で定座に戻して、水屋に下がります。

 

【炉】貴人点の濃茶点前(裏千家茶道)

 

63.茶道口に座ってふすまを開け、道具が戻ったのを確認して、右膝から立って入り、道具正面に座ります。

 

64.お道具についての問答が終わると、仕覆を右手で取って左手のひらに乗せ、茶杓を右手で取って仕覆の上に斜めに乗せて左親指で押さえ、右手で茶入を横から持ちます。

 

65.立って帰り、茶道口で座って、 茶入れから自分に近い方に置き、主客総礼をしてふすまを閉めます。

 

 

【炉】濃茶の貴人点のまとめ

 

ポイント
  • 貴人台の扱い
  • 茶碗は取り置き両手(左手を添える)
  • 茶筅を入れてから茶碗を下げる
  • 茶を出す時は客付きに向く
  • 控えて待つ
  • 拝見時、茶杓は仕覆に乗せる
  • お辞儀を忘れない

 

今回は棚ありのお点前でしたが、棚なしでも同じです。

 

基本は濃茶の平点前となりますので、まずは基本の平点前をしっかり身につけ、それから貴人台の扱いをすれば、スムーズに身につけられると思います。

 

基本の所作、道具の扱いを丁寧に。落ち着いてゆっくり行いましょうね。
 
しずばぁば

 

割稽古

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