お点前自体の流れは『中置の風炉点前(運び)』と同じ。
違いは柄杓と蓋置を置く位置です。
- 五行棚(ごぎょうだな)とは?
- 【裏千家茶道】五行棚薄茶点前で必要なお道具
- 【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前の水屋仕事
- 【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前の順番
- 【裏千家茶道】五行棚の飾り方
- 【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前のまとめ
五行棚(ごぎょうだな)とは?
陰陽五行説にちなみ、天板と地板の間に、木・火・土・金・水を入れることからこの名があります。
五行棚は、木(棚)、火(炭火)、土(土風炉)、金(釜)、水(湯)を表すということから、土風炉をのせる約束となっています。
また、水指は置きません。
【裏千家茶道】五行棚薄茶点前で必要なお道具
【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前の水屋仕事
まずはお点前に入る前の水屋仕事(下準備)です。
1.五行棚を手前から16目(24センチ)開けて置き、釜の蓋の向こう側を切っておく
3.水指に水を8分目ほど入れる
5.お菓子を出す
6.戻ってふすまを閉める
【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前の順番
1.水指を右側に置いて茶道口に座り、ふすまを開けて、お辞儀(真)をします。
2.水指を持って右膝から立ち、右足から入り、点前畳に入ったら、右足→左足→右足を斜め45度→左足を揃えて座り、風炉の左横に正面を自分の方へ向けて置きます。
3.左膝から立ち、右回りで水屋に下がります。
4.左手にすべて仕組んだ茶碗を右手を添えて持ち、右足から入ります。
5.棚正面に座り、右手(3時)左手(7時)を持って勝手付に置きます。
6.棗を右手で本来なら水指がある位置の右前に下ろし、茶碗を左手(7時半)→右手(3時)→左手(9時)で棗の左横に置きます。(置き合わせ)
7.左膝から立って、右回りで水屋に下がります。
8.蓋置、柄杓を仕組んだ建水を左手で持って右足から入り、畳の真ん中を歩いて五行棚正面に座り、左手をまっすぐおろして建水を置きます。
9.左手で柄杓の節の下を持ち、右手で切り止めに添えて持ち直し、構えます(鏡柄杓)
10.柄杓を構えたまま、右手で蓋置を取り、柄杓の内側を通って、いったん正面を確かめてから下の板の左隅に正面を右へ向けて置きます。
11.柄杓を右手で上から持ち直し、合を蓋置に静かに引き置き、柄杓の柄が板平行(横)になるように回しながらそっと置きます。
12.左手で建水を膝のラインまで上げ、座る位置や着物が乱れていたら直し、「1.2.3…」と数えるようにして呼吸を整えます。
13.茶碗を右手前、左真横、右真横と3手で扱い、膝正面の少し奥に置きます。
14.棗を右手で上から取り、膝と茶碗の間に置きます。
15.左手で腰の帛紗を取り、草にさばいて棗を清め、棗を最初に茶碗があったところに置きます。
16.帛紗をさばきなおして、茶杓を清め、棗の上に開先を上にして置きます。
17.右手で茶筅を取り、棗の右横に置きます。
18.右手で茶碗を少し前(点てやすい位置)に置きます。
19.帛紗を左手の人差し指と中指で挟み、右手で柄杓を取って構え(鏡柄杓)、挟んだ帛紗を右手で取って、釜の蓋を開けます。
20.釜の蓋を蓋置の上に置き、帛紗を建水の後ろに置きます。
21.茶碗の中にある茶巾を取り出し、釜の蓋の上に手なりに置きます。
22.右手に柄杓を持ち替え、湯を茶碗に入れ、釜の上に置き柄杓で真っ直ぐ自分に向けて置きます。
23.茶筅通し(2度上げ3度打ち)をし、茶筅をもとの位置に戻します。
24.右手で茶碗を取り、左手に持ち替えて湯を捨て、右手で茶巾を取って茶碗を清めます。
25.茶碗を膝正面に置き、茶巾を釜の蓋の上に戻します。
26.右手で茶杓を取り、お客にお菓子をすすめます。
27.左手で棗を横から取り、右手で蓋を取って茶碗の右斜め前に置きます。
28.茶を2杓すくい入れ、茶碗の縁で軽く茶杓を打ち、棗の蓋をして、元の位置に戻し、茶杓を上に乗せます。
29.右手で水指の蓋(つまみ)を取り、蓋を縦にしながら(つまみが右に来るように)左手で11時の位置を持って、水指の左側に立てかけます。
30.下から柄杓を取り、お湯を茶碗に入れて、残りの湯を釜に返し、切り柄杓をして預けます。
31.茶筅を取り、茶を点てます。
32.最後は茶筅通しと同様に、「の」の字を書いて上げ、元の位置に戻します。
33.茶碗を右手で取り、左手の平に乗せて2度回し、正面が向こう側になるようにして出します。
34.正客が一口飲むと、帛紗を右手で取り、左手に打ち返して腰につけます。
35.茶碗が戻ると、右手で取り、左手で扱ってから膝前正面に置きます。
36.柄杓を取って、湯を茶碗に入れ、置き柄杓で釜に預けます。
37.右手で茶碗を取り、左手で建水に湯を捨てます。
38.正客から「おしまいください」の挨拶があれば、これを受け、右手で茶碗を正面に置いてから、「おしまいにいたします」と挨拶します。
39.右手で柄杓を上から取って、水を茶碗に入れ、引き柄杓で釜に預けます。
40.おしまいの茶筅通し(1度上げ2度打ち)をし、茶筅を元の位置に戻します。
41.右手で茶碗を取り、左に持ち替えて茶碗の水を捨て、右手で茶巾を茶碗に入れて、正面に置きます。
42.茶筅を茶碗に入れ、右手で茶杓を取って、建水を引きます。
43.帛紗を左手で取り、右手の茶杓を握りこんだまま草にさばいて、茶杓を清め、茶碗に開先を下にふせて置きます。
44.帛紗を建水の上で2度はたき、腰につけます。
45.柄杓を上から取り、釜に水を1杓さし、柄杓を左手に持ち替えて、右手で釜の蓋を閉めます。
46.柄杓を蓋置きの上に最初と同じように静かに置き、水指の蓋を、左手、右手の二手で閉めます。
47.正客から棗、茶杓の拝見所望があれば、柄杓を右手で持ち上げるようにして取り、左手で節を持って右手を切り止めの方へ下げ、棚の左に真っすぐ置きます。
48.蓋置を右手で取り、左手に乗せ、正面を自分の方へ向けて、下の板の左隅に置きます。
49.茶碗を右手前、左横、右横と持って勝手付に置きます。
50.棗を右手で上から取り、左手に乗せて客付に回ります。
51.棗を膝前に置き、帛紗を草にさばいて棗を清め、帛紗を右手に握りこんで蓋を開け、蓋裏を見てから正面に置きます。
52.開けた棗の口を、向こう手前と「こ」の字に清め、再び帛紗を握りこんで蓋を閉めます。
53.帛紗を膝前に置き、棗を右回りに2回回して正面を向け、右手で上から持って出します。
54.帛紗を腰につけ、点前座に戻り、右手で茶杓を取って左に持ち替え、客付向いて右手で棗の右横に出します。
55.点前座に戻り、ひと膝勝手付に向き、左手で建水を持って左膝から立ち、建水回りで水屋に下がります。
56.再び入って座り、右手で茶碗を持ち、左手に乗せて右手を添え、右回りで水屋に下がります。
57.再び入って、水指正面に座り、水指を持って水屋に下がります。
58.茶道口に座り、客の拝見が終わり、道具が戻ったのを確認して、右膝から立って入り、道具正面に座ります。
59.お道具についての問答が終わると、右手で棗を上から持って左手のひらに乗せ、右手で茶杓を取って棚正面に向きます。
60.茶杓をいったん下の棚に置き、棗を右手で上から持って上の板の真ん中に置きます。
61.茶杓を右手で取り、左手で扱って、右手で持ち、左膝から立って時計回りで下がります。
62.茶道口に座り、右横に茶杓を置き、主客総礼をしてふすまを閉めます。
【裏千家茶道】五行棚の飾り方
柄杓と蓋置の五行棚への飾り方は、全部で3種類あります。
1つは柄杓を斜めに飾る「入り飾り」
柄杓を向こう1/3、手前1/4(柄杓の柄を1センチほど出す)に斜めに置き、左に蓋置、右に棗を飾ります。
あと2つが、柄杓をまっすぐに飾る方法。
蓋置を下の板に左隅に、棗を中央に置く場合(左)と、蓋置を柄杓の節の右横に置き、棗を中央に置く場合(右)です。
- 入り飾り
- 真っすぐ(蓋置を下)
- 真っすぐ(蓋置を上)
どれでも構いません。好みで飾ってくださいね。
【裏千家茶道】五行棚を使った中置薄茶点前のまとめ
五行棚は棚ですが、蓋置は竹を使いますし、湯返しもありません。
棚のようで、棚扱いではない。少し特殊なお点前ですね。
お客の作法も一緒に覚えよう!
\保管もOK!/
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