中置(読み方:なかおき)とは、風炉釜を畳中央に置いて行う、10月限定のお点前です。
中置点前について、詳しくは↓こちら。
今回は中置の濃茶点前をやってみましょう。
中置濃茶点前で必要なお道具
中置点前では水指の位置は、風炉釜の左側に変わります。
風炉釜が畳中央にあることで、水指を置く場所が狭くなっていますので、置く場所を取らない細水指を使うのが一般的です。
中置濃茶点前の水屋仕事
1.風炉を畳中央、手前から16目(24センチ)開けて置き、釜の蓋の向こう側を切っておく
2.水指に水を8分目ほど入れて持ち入り、斜めに座って風炉釜の左に正面を自分の方へ向け、敷板に半がかりになるように置く。
5.仕覆に入れた茶入(人数分の濃茶を入れる)を定座に置く
6.お菓子を出し、戻って茶道口で主客総礼。襖を閉める
中置濃茶点前の流れ
1.すべて仕組んだ茶碗を膝前に置いて茶道口に座り、ふすまを開けます。
2.点前座に座り、茶碗を勝手付に置き、茶入を右に動かして、茶碗と置き合わせます。
3.建水を持ち入り、180度向きを変えて座り、ふすまを閉めます。定座に座り、建水を置きます。
4.左手で柄杓の節の下を持ち、右手で切り止めに添えて持ち直し、構えます。
5.右手で蓋置を取り、柄杓の内側を通って、いったん正面を確かめてから水指の真ん前に置きます。
6.柄杓を蓋置に音をさせて引き置き、柄を10センチくらいの高さからポトンと落とし、主客総礼をします。
7.左手で建水を上げ、座る位置や着物が乱れていたら直し、「1.2.3...」と数えるようにして呼吸を整えます。
8.茶碗を三手で膝正面の少し奥に置き、右手で茶入を膝と茶碗の間に置きます。
9.仕覆の緒を解いて脱がせ、茶碗と膝の間に茶入を置きます。仕覆を右手で左へ打ち返し、左手で仕覆の底を持って蓋置と建水の間に置きます。
10.四方捌きをし、茶入を清めたら本来水指がある位置の左前に置きます.
11.帛紗をさばきなおして、茶杓を清め、茶入の蓋に開先を上にして置き、茶筅も置きます。
12.右手で茶碗を少し前に寄せ、茶巾を水指の蓋の上に置きます。
13.帛紗を挟んで柄杓を構え(鏡柄杓)、帛紗で釜の蓋を開け、釜の蓋を蓋置の上に置いて帛紗を建水の後ろに置きます。
14.右手に柄杓を持ち替え、湯を茶碗に入れ、釜の上に置き柄杓で置きます。
15.茶筅通し(2度上げ3度打ち)をし、茶筅をもとの位置に戻します。
16.湯を捨て、茶巾で茶碗を清めます。茶碗を膝正面に置き、茶巾を釜の蓋の上に置きます。
17.茶入を取って、回し出しで茶を全て茶碗に入れ、指で茶入の口を清めて元の位置に戻します。
18.茶杓で「三」とならし、茶碗の縁で軽く開先付近を打って、茶入の上に戻します。
19.右手で水指の蓋(つまみ)を取り、左手で11時の位置を持ち、蓋を縦にしながら(つまみが右に来るように)、水指の左側に立てかけます。
20.水を釜に入れてから、濃茶を練り上げ、定座に出します。
21.正客が茶を一口飲んだところで、草に手をつき
亭主(草)「お服加減はいかがでございますか」
正客(右手のみ草)「結構でございます」
と、問答し、客付きに向きます。
22.次客の一口で
正客(どちらも真)「大変おいしくいただきました」
正客(行)「お茶名は?」
亭主(行)「〇〇でございます」
正客(行)「お詰めは?」
亭主(行)「〇〇でございます」
正客(どちらも真)「ありがとうございました」
と問答します。
23.末客の吸いきりで、点前座に戻ります。
24.水を釜に1杓差し、引き柄杓で釜に預けて、帛紗を腰につけます。
25.茶碗が戻ると、右手で取り、左手で扱ってから膝前正面に置き、主客総礼をします。
26.湯を茶碗に入れ、建水に湯を捨てます。
27.茶碗を膝正面に置き、草に手をついて
亭主(草)「一応おしまいにいたします」
正客(真)「どうぞ」
と挨拶をします。
28.水を茶碗に入れ、おしまいの茶筅通し(1度上げ2度打ち)をします。
29.茶碗の水を建水に捨て、右手で茶巾を茶碗に入れて、正面に置きます。
30.茶筅を茶碗に入れ、右手で茶杓を取って、建水を引きます。
31.右手の茶杓を握りこんだまま帛紗を草にさばいて、茶杓を清め、茶碗に開先を下にふせて置きます。
32.帛紗を建水の上ではたいて、腰につけます。
33.茶入と茶碗を置き合わせます。
34.釜に水を1杓さし、柄杓を構えて、釜の蓋を閉めます。
35.柄杓を蓋置きの上に静かに置き、水指の蓋を、左手、右手の二手で閉めます。
36.正客から茶入、茶杓、仕覆の拝見所望があれば、これを受け、柄杓を右手で持ち上げるようにして取り、左手で建水にふせて置きます。
37.右手で蓋置きを取り、左手で建水のうしろに置きます。
38.茶碗を三手で勝手付に置きます。
39.茶入を清めて定座に出し、茶杓、仕覆も同様に出します。
40.点前座に向き、さらにひと膝勝手付を向いて、右手で柄杓と蓋置を、左手で建水を持って左膝から立ち、建水回りで水屋に下がります。(ふすまを開けて下がる)
41.茶碗、水指をそれぞれ持ち帰り、水指を正面に置いてふすまを閉めます。
42.茶道口に座ってふすまを開け、道具が戻ったのを確認して、右膝から立って入り、道具正面に座り、問答をします。
43.すべて持ち帰り、茶道口に置いて主客総礼します。
中置濃茶点前のまとめ
中置濃茶点前と、一般的な風炉の運び点前と違う点はこの7つです。
- 風炉の位置
- 水指の位置
- 水指の形
- 蓋置の位置
- 柄杓を引く位置
- 水指の開け方
- 仕覆を置く位置
お点前の流れ、順番は平点前と変わりませんので、お道具の位置をしっかり覚えてくださいね。
\辛いズルズルに飲んで効く/
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